接骨院・整骨院は柔道整復師(じゅうどうせいふくし)という国家資格者が施術を行ってる場所です
主な取扱い業務は‟急に痛めた体の箇所の処置”です 案内に「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」と書かれてるのを目にする機会があると思います この文字を見れば、急に痛めた箇所に対して、処置や施術を行ってることがわかるかと思います
全国の私たち柔道整復師はこれら業務を行う際、健康保険証を持参した患者さんの施術を保険適用で行うことができます 業界80年ほどこの環境下でしてきております
ところがここ数年、取り巻く環境がかなり変わってきました 保険取扱いに対しての審査がものすごく厳しくなってきてるのです
急に痛めたものに対して保険が使える・・・
「でも、これって本当に急に痛めたものなんですか?」と審査する側が患者さんに対しても、我々接骨院側に対しても問い始めて来てます 「本当に正しく原因を追究して、なんら疑いのない状況で接骨院にかかってますか?または施術を行ってますか?」と
方法はアンケート調査と称した手紙封筒で送られて来ます ほとんどがこの手法で送られて来ます 内容はというと・・・
あなたはいついつ〇〇接骨院にかかってますが、
・どこを治療しましたか?
・その症状はどこで、どのような原因で起こりましたか?
・それはいつ起こりましたか?
・保険が使える業務範囲を接骨院側はきちんと説明しましたか?
・同意して署名する用紙にサインしたのは間違いなくあなたですか?
・1回に支払った金額(別記)は合ってますか?
それ以上だったり、以下だったりしませんか?
といった具合です
ここで患者さんが「症状は前々からあったものです」とか「ほぼ慢性的になってます」などと回答して提出すると、大変なことになります
なぜなら接骨院で保険が使えるのは急性(急に痛めたもの)に対してのみだからです
では急性とはいつからを差すのか 線引きは“せいぜいここ2週間の間に痛めたもの”とされてます なので昨日今日痛めたものはもちろんOK、1週間前もOK、10日前もまあOK、2週間前?う~んまあ大丈夫でしょうといったかんじで取り扱えます
ところが、この急性というのがあいまいだったりします 「実のところ、前に痛めた箇所なんだけど、ここ最近また痛めたんだよね」というケースがかなりあるせいです
今あるこの痛みを前々からのものと捉えるか、ここ最近のものと捉えるか、審査する側の健保組合や市町村国保などはアンケート調査で突いてくるわけです いつ痛めましたか~と それで患者さん側が「実は前から痛かった箇所で~」とうっかり書いて送ってしまうと、
それは急性の痛みではありません よって接骨院への医療費の支払いは行いませんという手段に出てくるのです
我々接骨院側はこうなると、窓口でいただいた金額以外の残りの医療費が受け取れなくなるので、それを患者さんに請求する方向に向かうわけです ここで問題なのが我々側の意見がまったく聞かれないということです
我々には請求できるだけの言い分があります 元の痛みは確かに前に負ったものかもしれないけれど、再度痛めたのは「つい最近」の話なのである、ということ
当然2週間以内のことであれば、保険適用は妥当なのです
しかし、健保組合や市町村国保は我々の方へはまったく調査書も送らないし、問い合わせすらしてきません 一方的なやり方で事を進めます
やり口も巧妙といえば巧妙です 患者さん宅へ送付する調査書は、さりげなく質問してるふうを装って回答を得ようとします
狙いは患者さんから生の回答を得ること 患者さん本人から出る答えが真実であると思ってるようです でも先ほども言いましたように、前に痛めた箇所であっても「ここ最近」痛めたものであるならそれは急性と言えるのです 保険証も当然使えるのです
しかし、そんな私たちの考えはまったく反映されないのです というより「無視されてる」と言ってよいでしょう
このような封書は昔からあるにはありました たまにあるくらいでした しかし、医療費が膨大になってるこんにちでは、少しでも抑えられる医療費は抑えたい実情があるのかもしれません そういう状況が関係してるのは理解はできます ですが、施術側をないがしろにしたやり方は、とても看過できないものとなってきてます
本当に現在はそのやり方がどんどんひどくなってます 例えば、たった1回接骨院にかかっただけでアンケート調査が送られてきます たった1回で
これを送られてきた患者さんはまず驚きます ドキッとします 何だろう?と そして自分がかかった接骨院の名前が表記されてるのを見たらどう感じるでしょう あの先生何かしたのかな?と思うのではないでしょうか こちら側にしたら、あらぬ疑いを患者さんに持たれる可能性が出てくるのです
あるいは内容文を読めば、単なるアンケート調査であることに気付くかもしれません それでもたった1回かかっただけで、いちいちこのような手紙が送られてくるとしたらどう思うでしょうか 面倒だなあと普通は思うのではないでしょうか 接骨院にかかるのって面倒なことなんだなあと捉えられるのではないでしょうか
これがアンケート調査書の狙いといえます「面倒だと思わせること」「通院を考えさせること」「できれば足を遠のかせること」
でもアンケート調査書が来ることを理解してればなんてことないんじゃないの?と思うかもしれませんが、これの与える影響はなかなかのもので、わかってはいても面倒だなあと思ってしまうものなんです
患者さんが思う以上に、この1通の手紙は効果を発揮してるのです
ちなみに、この封書は病院・医院・歯医者さんにかかった場合は届かないことが多いです たまに来ることがあるみたいですが、ほとんど来ません それは医師会・歯科医師会には言えないからです 言えないというか逆らえないというか・・・ともかく送られてくることはまずないと言っていいです それだけに、接骨業界に対しては堂々と手を打ってくるのがアンフェアで許しがたく感じます
それはさておき対処法ですが、アンケート調査書が届きましたら必ずかかった接骨院・整骨院に持参してください きちんと理由を院長に教えてもらって、その上で記入してくださることをお願い致します くれぐれもご自身だけで記入して送付してしまわぬようご用心ください
長々と書き連ねて来ましたが、これから先接骨業界にかかるにあたり、この問題はずっと続くと断言できます 患者さんにおかれてはその都度アンケート調査書をお持ち下さるか、またはそのようなことが面倒なら、自費診療に切り替えていただくのも手です
当院が「短い時間の自費診療」をご案内してるのも、こういった事情があるからというのもあります しかしながら、毎回毎回高い施術費用がかかっては通い切れないので、短い時間ながら割と安価で提供してる次第です
例えば、慢性的なガンコな腰痛があった場合、10分 1,290円の施術コースを2、3回いらしてみるとか、1回で何とかしてほしい場合などは、15分1,940円のコースでいたしてみてもよろしいかと存じます よほど足へと出る神経的な強い症状などなければ、1回でだいぶ楽にさせられると思っております
わずらわしさをなるべく省いた、このような方法も検討してみてはいかがでしょうか