新聞記事からの抜粋で書きます
ある女子の陸上選手は中学生のとき、痩せていた方が良い結果が出せると指導者から言われていた 確かに体が軽くなると成績は良くなり、全国大会にも出場できるようになった しかし生理が止まるようになる それでも、「生理が来ない体は、走れる体になってきた証拠」と本気で思っていた
高校2年の時、体調を崩して部活動を辞めざるをえなくなった 食生活が元に戻ると体重も戻り、数年ぶりに生理が再開した 本来喜ぶべきところを、もうこれで走れない体になってしまったと悲んだ
大学へ進学したのを機に、再び陸上を始めた そのときの監督に驚くべき事を言われた
「パフォーマンスに必要なのは休養と食事」
信じがたかったが、体を作り直す作業が始まった 言われたとおりにしてると、生理が正しい周期で来るようになった とまどいながらも続ける 特に1、2年生の時は“体が重くて動きにくい"と感じた が、年を追うごとに全国大会で好成績を残せるようになった
「パフォーマンスに必要なのは休養と食事」と言った監督も、過去指導を受けた人から「よく食べろ」と言われたという 減量など言われたこともなかったと
こういう経緯から、監督自身も指導者の立場となってから「食べろ」と同じ指導をした なぜ同じことをしたか それを裏付けるものがあった
監督となった大学の部活動に入って来る新入生部員に「無月経」、「足の疲労骨折」を経験した学生が多かったというのがその理由 不健康から来るホルモンバランス異常による無月経と、カルシウム欠乏による骨折 それら症状が出た者が、強豪校であってもなくても存在したことに驚き、問題の根の深さを痛感した
これは時間をかけてでも、根本的に立て直してゆかねばならない…こう誓って取り組み続けた
所変わりアメリカ アメリカのスポーツ医学学会では、早くから女性アスリートの「無月経」、「骨粗しょう症」が指摘されていた
日本はデータ収集という慣習がなかったため対応に遅れが生じた ようやくデータ収集が始まるや、ある競技の女子選手の75%が無月経であることがわかる さらにトップアスリートのみならず、県大会レベルの選手でも4割が月経異常を訴え、2割が疲労骨折の経験があることがわかった
日本スポーツ界もここへきて、骨が成長過程にある10代では特に栄養摂取に気を配り、過度な練習による疲労を与えない、トップ選手を対象にホルモン値を定期的に調べ、結果に応じて練習量や食事を見直すよう働きかけるなどの対策を講じることとなる
記事は最後にこう締める
「勝つために練習あるのみ」そんな時代からの脱却がようやく始まっている
痩せればなんでもいい、の弊害、いや危険性をよく表した記事内容だと思います
「痩せるために食事制限あるのみ」そんな時代からの脱却を願ってます